駆け出し保育士、大学時代を語る

学生時代の白金キャンパス、写生をしている地域の方に混ざって、子ども達の元気な声が聞こえてきた。
近隣にある保育園の子ども達が、保育士と散歩に来ていたのだ。
 キャンパスを楽しげに歩く子ども達と、それを見守る保育士の姿、私はまだ知らなかった、自分が将来保育士になっていることを。

 私は2019年1月より、都内の認可保育所で保育の仕事をしています。「なぜ保育士に?」
 大学卒業以来、営業職としてキャリアを積んできた私の転身に、周囲は驚きを隠せなかったと思う。
最大の理由は子どもが好きだから、これに尽きる。単純な理由だが、私自身が理屈よりも直感で動く性質なので、仕方がない。

 そんな私の大学時代を彩ったのが翔法会だ。翔法会とは法学部の公認サークルで、司法試験の勉強サークルとしての歴史を持つ。私が所属していた時代は、憲法判例を題材としてディベートを行っていた。毎週テーマを決め、判例に賛成の立場か、反論する立場で分かれて、議論を行った。また、3年生時には白金法学会主催の「無料法律相談会」に運営補助として参加した。

ディベート当日はもちろんだが、ディベートに向けてチーム内で勉強会をしている時も楽しみであった。皆で論点を整理し、自説を組み立て、相手方の反論に対する準備をする。ワイワイガヤガヤと議論しながら、憲法への理解が深まってくる、当日に向けて準備が整ってくる、その過程が楽しかった。

そして、なにより楽しみにしていたのは、ディベート終了後に気の置けない友人と食事をするひと時だ。
東戸塚駅の牛丼チェーン店に行き、牛丼とビールで乾杯をし、大学生活のこと、恋愛話、社会問題、将来の夢などについて語り合った。今となっては青臭いことを語っていたなと面映ゆいが、この時間と友人が今でも私の財産となっている。

斉藤 彰 06年 法学部 法律学科 入学