会員紹介

出会いが重なって     河村 友紀(2012年 社福卒)

明治学院大学への入学が決まったのは、高校を卒業した後の3月11日のことでした。浪人覚悟で臨んだ社会福祉学科の3月入試で合格をいただくことができ、初めて嬉し涙を流しました。今でもこの感動は忘れられません。

入学式で訪れた、白金キャンパスの重厚感あふれるチャペルに胸が高鳴ったのも束の間、田舎者の私に友達ができるのだろうかと不安になりました。入学式前にオリエンテーションがあり、待っていると教室に入ってくる同級生は友達と連れ立って入ってくるのです。1人で入学した子はいないのだと思いました。後から聞くと、SNSが流行り始め、入学予定者は事前に連絡を取り合っていたとのことでした。時代を感じます(笑)そんな不安いっぱいの私は現状を受け入れることができず、入学1日目にして田舎者に友達はできないのだと絶望しかけていました。そんなとき「一緒にご飯食べない?」と声をかけてくれた子がいました。この言葉に「やった!友達ができる!」と喜んだのはとても現金な話です。チャペルでの入学式後、声をかけてくれた子がきっかけで20人くらいの同級生と友達になることができました。田舎から1人で入学してきた私が大勢の輪に混ざっているのを見た母は、とても安心したと言っていました。

学年が進むにつれて将来を考える機会が増えてきました。社会福祉学科では2年次にコース選択があります。入学当初は、資格はなくてもいいかなと考えていましたが、福祉関係の仕事に携わっていた伯父の勧めもあり資格取得のコースに進みました。実習が始まり大変なこともありましたが、ゼミの仲間と協力しあい、なんとか終えることができました。特に3年次から2年間同じ時間を共有した新保ゼミ(新保美香教授)では、先生の人柄にみんなが支えられながら将来に向きあい、公的扶助について学びました。ゼミ結成時に行った合宿では、成人でしたがノンアルコールで恋バナに花を咲かせた夜はとても楽しかったです。先程述べましたが、私は資格取得のコースを選択したため、4年の1月に国家試験がありました。他学科の同級生が卒業旅行を楽しんでいる時期に必死に試験勉強しました。やっとの思いで国家試験を終え、ゼミ仲間とは高速バスを駆使して四国旅行、入学式で声をかけてくれた友達とはイタリア旅行に行きました。試験からの解放感がありましたが、卒業を惜しむ気持ちもあり、旅先のきれいな風景を見ながら少し切なくなりました。

たくさんの思い出がある明学を卒業し、就職を機に富山に戻りました。初めて配属になった部署の上司は偶然にも明学の同窓生で、現在も事あるごとに相談する良き先輩です。就職時は資格を活用した働き方を考えてはいませんでしたが、今年度から社会福祉に関わる仕事をさせていただくことになりました。これまでの出会いや経験が重なっていまの私がいるのだと思うと、今までの出会いに感謝しなければいけないと実感します。今回岩村支部長からお話をいただき、寄稿させていただいたことも大切な出会いとなりました。明治学院大学から生まれた出会いや経験をより一層活かしていけたらと思う今日この頃です。”DO FOR OTHERS”の精神で!

 

富山から明治学院大学に進む      四日 正樹(1986 大英卒)

まず最初に、このように寄稿する機会をいただけたことに心から感謝申し上げます。そして、私なりの母校に対する感謝の念をご理解いただければ幸甚に存じます。

  私は昭和61年春に明治学院を卒業した後、帰郷して県立高校の英語教員となりました。本音は東京で暮らしたかったのですが、今思えば、結婚して子育てをするには故郷で良かったと感じています。ここで唐突ですが、私には娘が二人おり、長女は明治学院の英文科卒です。次女も

姉の姿を見て明治学院への進学を希望しましたが、他の大学に縁があり、そちらに進学しました。東京や横浜では親子で明治学院を卒業したという話を耳にしますが、富山だと少し珍しいかもしれません。

ところで、この春に大学時代に所属していたサークル仲間の同窓会に初めて参加しました。今も多くの仲間が東京界隈で暮らしていて、時々、集っているそうですが、富山にいる私にはいくら新幹線が開通したとはいえ、やはり物理的にも精神的にも距離を感じます。とは言え、いったん集えば様々な記憶が蘇り、30数年の隔たりを感じることなく、懐かしい大学時代の話題が次々と出てきました。私には大学時代だけの繋がりですが、私を以前同様に受け入れてくれた仲間は何物にも替え難い明治学院が結んでくれた縁の賜物です。

   さて、明治学院の良さは何か?卒業して良かったことは何か?時々そう自問自答します。そもそも富山に住んでいて、明治学院に進学するという発想は基本的には出て来ません。私の娘は、高校2年生の夏休みに家族旅行で東京に車で出掛け、せっかくなので白金キャンパスを見せようと連れて行った際に、「私も明治学院に進学したい」と言ってくれました。これは親子で紡いだ縁です。

   そして、私は大学の友人にも同じ問いをしました。友人は、明治学院の良さは、Do For Othersという言葉にあるように、自らの利益や成功、見栄などに囚われず、他者のために社会で活躍する人が多いことではないのかと答えてくれました。正直なところ私自身も、バブル真っ只中の頃に、わざわざ現在の仕事に就いた理由は、お金儲けや社会的な地位ではなく、自分なりに何か社会貢献できることを考え、さらには自分自身の中にある本当の可能性を探るための挑戦でした。私達が学んでいた頃の図書館の壁に大きく刻んであったThe Truth Shall Make You Free. という言葉を皆さんは覚えていらっしゃいますか?この言葉が私が明治学院で得た真実の言葉です。友人との出逢いも縁だと感じています。

   最後になりますが、中島みゆきの曲にあるように、縦の糸は明治学院で、横の糸が私達、そんな無数にある明治学院の縁の中でお互いが生かされている、そのような想いを今は持っています。明

治学院で紡がれたたくさんの糸が、やがて大きくなり誰かを包み暖める、そんな不思議な心地よさと穏やかな安心感を与えてくれる存在が明治学院の存在なんだと、この年齢に至り、年月を経て閃光となり心に訪れました。明治学院は富山から私たち一人一人が選択した道です。次は誰に明治学院の糸を紡いであげることが出来るのか、それが私達の使命だと考えています。これまで通り、母校に宿る精神を丁寧に真摯な心映えで支えるとともに、本同窓会の益々のご発展を祈念して筆を置かせていただきたいと思います。Au revoir!!  富山県立福岡高等学校 教諭 Masaki J. YOKKA

 

 

支部総会に参加してみて     村上 啓一(2011 大政卒)

 初めて同窓会富山県支部の懇親会に参加したのが、3年前の50周年のときでした。みなさんとても気さくな方で、親しく接してくださり、たいへん感謝しております。学生時代、都心の真ん中で見失っていた“Do for Others”の心がけを思い出させてくれた、とてもたのしい時間でした。富山らしい雰囲気の中で、白金キャンパスや横浜キャンパス、学生時代の思い出などいろんな話ができたのは、普段はなかなかない貴重な機会でした。

今年2度目の参加でしたが、顔も覚えていてくださいまして、懐かしいような気持ちで、温かい先輩方々と親交を深めることができました。

現在、富山県内の観光施設に勤めておりますが、ときどき卒業生の方も来てくださいます。

この文章を書く機会をいただいたのも、岩村支部長がきてくださって、お話をいただいたのがきっかけでした。今後も同窓会富山県支部の一員として卒業生のつながりを大切にして、仕事、交友関係ともに広がっていってくれますよう努力したいと思います。