私が大学同窓会の運営委員になって、6年目となりました。
最初の3年間、私の主な仕事は毎年白金祭の中で大学同窓会が主催するライブ&カフェを進めていくことでした。
私は、学生時代は二部の学部だったため、全く白金祭に関わったことがありませんでした。
それが還暦を過ぎてから大学同窓会の一員になり、現役の学生たちと一緒に白金祭をやることになろうとは、全く考えもしなかったことでした。
当時(3年前まで)大学同窓会が行っていたライブ&カフェとは、現役の学生たちの音楽サークルや同窓生の音楽グループに出演してもらい、パレットゾーンの奥半分近くを使ったカフェのコーナーでコーヒーや紅茶を販売し、お客様に音楽と飲み物を楽しんでもらい、収益はボランティアセンターに寄付をする、という企画でした。
かくいう私も、グリーン・リーヴスOB会合唱団と言う同窓生団体として、ライブに参加させていただきました。
そうした立場から白金祭と言うイベントを見て、体験して、学生たちと関わってきて、自分の若い時には全く関心がなかったのに、とても身近に感じるものになっていったのでした。
そして、白金祭実行委員会と言う組織の活動を見ていて、私がそれまで抱いていた「学園祭」と言うものへの印象が全く変わっていったのです。
私は、先ほども述べたように、二部の学生でした。昼間は働き、夜になってから学校に来て授業を受け、サークル活動も行い、それも終わると目黒や五反田に繰り出して友人たちと酒を飲みながら語らい、日付が変わるころに家に戻って翌朝はまた仕事に出かける、と言う日々を繰り返していました。そんな私たちにとってそのころの白金祭は、昼間の学生たちのものでした。(暇な学生たちのお祭りごっこだな)などと思っていたものでした。
しかし、今は違います。少なくとも私がここ数年関わってきた学生たちは、みんな素直でまじめで、真摯に物事に向き合う姿勢があり、責任感があり、思いやりがあります。そうして白金祭と言う大きなイベントを通して様々な人と関わりながら、社会性を身に着けていっているように思えます。なぜそんなふうに思えたかと言うと、私の解釈ですが、それは学校が、明治学院大学が学生たちを信じて、大きな資金とともに運営の大事なところを任せて見守っているからなのではないでしょうか。
人を信じる、と言うことはなかなか難しいことですが、「自分は信じられている」と思った人は、なかなか間違ったことはできません。
私は毎年白金祭で頑張っている実行委員会の学生たちと関わることが楽しくなってきました。(君たち、この学校でよかったね)と思いながら、社会に巣立っていくときに、白金祭での経験がきっと役に立っていくのではないかとも思います。
コロナでオンラインだった2年間を乗り越え、今年は厳しい制約の中での対面白金祭です。
学生たちよ、頑張れ!と、私はいつも心の中でエールを送っていますよ。
1977年二部社会学科卒 飛木かおる