ふるさと鳥取

「兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川」 みなさん よくご存じの「故郷」。
この有名な唱歌を作曲したのは鳥取市出身の岡野貞一という人です。
私は鳥取市出身で毎年 年2回 この唄を歌う機会があります。名古屋と浜松で鳥取県人会が開催され、会の最後に出席者の大合唱です(会の冒頭は鳥取県民歌の合唱です)。「ふるさと」を歌いながら故郷の光景を思い出します。兎を追いかけたり、鮒を釣った事ありませんが、兎の肉を食べた事はあります。とてもまずかったです。幼少の頃は、牛や豚の肉は貴重品で、罠で捕獲した兎をカレーに入れて調理したものですが、癖が強いのです。鮒は煮物で食卓にでましたが、泥臭く食材とは言えません。
鳥取県はご承知のとおり、日本で人口が一番少ない県です。一番多かった昭和60年の61万人を境に、毎年減り続け、今は55万人です。東京23区のうち、世田谷、練馬、大田、江戸川、足立、杉並、板橋(この7区は多いい順番)よりも少ないのです。都市は、鳥取、米子、倉吉、境港の4つしかありません。
県庁所在地の鳥取駅には駅員さんが改札に立っていて、切符にスタンプを入れたり、回収をしています。JR西日本によると、切符の自動改札や交通系ICカード導入の予定はありません。しかし市内循環の100円バスはICカードが使用できるのです。(Suica、TOICA、ICOCA、PASMO等を持っている人は多いいです。大阪や東京に行った時に使うので)
鳥取が田舎であるという事はお分かりと思いますが、よーく分かるのは高速道路が無料です。県外から鳥取市に車で行くには、中国道の佐用インターチェンジから鳥取自動車道に入ります。鳥取まで62kmが無料です。さらに鳥取から、鳥取県第二の市、米子市までの山陰自動車道も無料です。なぜ無料か?
交通量が少なく、料金を回収しても、料金所の設備投資、人件費に対して割に合いません。
鳥取が田舎で良いと思うのは土地が安い、戸建て住宅、マンションが手ごろな価格。魚介類が旨い、果物は20世紀梨の他に柿、ブドウ、スイカ、たくさんの種類が収穫でき、豊富。
数年前まで、スターバックスの無い県は鳥取県だけでした。平井鳥取県知事は「鳥取県にはスタバは無いがすなばがあると」ダジャレを発しました。
田舎ですが生活に困る事はないです。出生率は1.51人で全国10位です。全国平均が1.30人、東京都が1.08人です。(最も高いのは沖縄県の1.80人)
出生率が高いという事は住みやすい、子育てがし易いという事に繋がります。
公共交通機関が貧弱な為、一家に3台の車があります。若いお母さんは車で子供を保育園に連れていき、それから仕事に向かいます。
軽自動車の保有率ですが、100世帯あたり鳥取県は103.5台で長年にわたり全国1位です(全国平均は54.4台、東京都は11.9台)。乗用車保有率では180台(全国10位、全国平均は128台)で、車が無ければ生活できないという事です。
一家で4~5台という家も多いいです。爺さん、父さん、母さん、自分、姉弟。
6月10日、鳥取県米子市で同窓会鳥取県支部総会と校友会校友の集いが開催され、鳥取弁が入り乱れた会話が弾み、とても懐かしく嬉しく思った次第です。
校友会校友の集いで副学長の柘植あづみ先生から、現在、明治学院大学に学ぶ鳥取県出身者が7人と聞き、大変、寂しく思いました。私が在学中、分かっているだけでも、同級生が4人、先輩後輩も合わせると十数人はいたと思います。
鳥取県から京阪神、首都圏の大学に入学しても、鳥取県に戻ってくるのは30%です。さらに、地元の鳥取大学に入学した、鳥取県出身者の半数以上が、県外で就職です。少子化よりも深刻な問題です。地元に働く場所がないという事です。
5月20日、名古屋市で東海鳥取県人会がありました。私は浜松の県人会 会長代理をしている為か、石破茂元防衛大臣、元農林水産大臣、元自由民主党幹事長が隣の席になり、鳥取県の人口減少、働き場について雑談しました。
石破さんの地方再生、首都機能分散の思いが伝わり、自由民主党総裁選で地方票をたくさん獲得する事が理解できます。自然災害、大規模テロ等で東京が打撃を受けた時の事を見据えて、官庁の地方分散を訴えていますが、官僚から猛反発を受けているそうです。文化庁が京都に移転した際、300人が東京から京都に転居し、300人とその家族から恨まれている?とも言われました。 
鳥取県、市町村は人口減少に歯止めをかける為、企業誘致を積極的に取り組み、Uターン、Iターンの施策、子育て環境の整備に取り組んでいます。
僅か1人の人口増ですが、私も早く鳥取に帰らなければ故郷に申し訳がたたないです。

73年法学部法律学科卒 徳沢幸人