1999年の夏休みにアメリカのヘボン先生のお墓参りに行ってきました。大学の社会学科の同級生で小学校の教員をしている大木純一君がこの頃コネティカット州の日本人学校に派遣されていたので訪ねて行き一緒にお墓参りやニューヨーク観光に行きました。
お墓はニュージャージー州イーストオレンジのローズデール墓地にあります。とてもシンプルなお墓で隣に明治学院の記念碑が建てられています。ヘボン先生は1911年にこの地で96歳で亡くなりました。1859年に来日して1892年に帰国のため横浜港から出港しました。その33年間に後に明治学院に発展するヘボン塾を開塾したことは言うまでもなく、医療宣教師として無料で診療をしていました。日本でのキリスト教布教のため聖書の翻訳、和英語林集成という辞書を発行したりしています。この時に日本語をローマ字表記したのがヘボン式ローマ字です。まだキリスト教が禁止されていた幕末の日本、攘夷派の武士が多くいた頃で大変だったと思います。もしヘボン先生が来日しなかったら明治学院もなかったわけですから私たち卒業生も出会うこともなく全く違う人生を過ごしたことでしょう。
ニューヨークでは、ミュージカルを観に行ったり、観光バスで国連本部、ワールドトレードセンターなどに行きました。市内のセント・ジョン・ディバイン大聖堂にある柱の彫刻に目が留まりました。新約聖書ヨハネの黙示録の一場面を描いているとのことでした。ニューヨークの高層ビルを津波が襲うという場面です。ちょうどこの1999年はノストラダムスの大予言で人類滅亡?の年ということがブームになっていました。まさかそんなことは無いと思っていましたが、何となく悪いことが起こらなければ良いが…とは思っていました。2001年9・11テロのテレビニュース画像を見て思い出し改めてこの写真を見たら、見方によっては津波が煙にも見えると思いぞっとしました。
大学同窓会運営委員 菊地 克之 (1979年社会学科卒業)