だいぶ先の話で恐縮ですが、僕が主宰する明治学院バッハ・アカデミー合唱団は、2024年6月15日(土)15時から、ライプツィヒ・バッハ音楽祭の枠内で、トマス教会での「モテッテ」という伝統ある音楽礼拝でバッハのカンタータ上演のご依頼を受けました。2006年にもニコライ教会での音楽礼拝を担当させていただきましたので、これが実現するとバッハが指揮した両教会でカンタータを上演することになります。バッハ研究者として、これは大きな名誉であり喜びです。
50年前の1972年、バッハ・アルヒーフの客員研究員として初めてライプツィヒに行き、ロッチュ指揮トマス教会合唱団による「モテッテ」演奏会を聴いて感動しました。アカペラ(無伴奏)のモテットは、そのときロッチュ先生が指揮されたシュッツ、ブルックナーなどのモテットを歌いたいと思います。カンタータは「神はかくも世を愛したまえり」BWV68。奇しくも2006年にニコライ教会で歌った美しいコラール・カンタータです。今回はソリストもオーケストラも音楽祭がご用意くださるそうなので、新しい出会いも楽しみです。写真は2006年当時のものです。
(明治学院大学名誉教授 樋口隆一)