英文タイプ部への想い

この度の新型コロナウィルス感染症で皆さんが日々、対策と疲弊する経済において戦っている中で今回の「今月のつぶやき」の原稿の投稿にあたり心中複雑な思いです。文中に失礼があるやも知れませんが予めご容赦願います。
英文タイプ部って?今の方はきっと不思議に感じるでしょうね!
今から45年前の1975年に私は英文科2部に入学して早速、2部英文タイプ部(主に商工会議所の英文タイプ検定合格を目指したサークル)の門を叩きました。入部の動機はいたって単純で英文をタイピングさえしていれば自然に英語が上達できるようになるのではないかと、私と性格が似ている大好きな漫画の「ちびまる子ちゃん」的な浅はかな発想で入部しましたが、全くの錯覚でいくら英文タイプを打っても単純に文字複写しているだけで決して英語が上達することはありませんでした。当たり前ですよねぇ~ 当時、英文タイプ部は明治学院大学サークルの文化系団体に属していていましたが、私は英文タイプは文化系というより反射神経と正確で的確な運動動作を必要とする体育会系ではないかと今でも思っています。英文タイプ部はキーボードへのタイピングが一般的な時代を迎え、商工会議所の英文タイプ検定廃止等で廃部となりました。 英文タイプ検定は時代の流れとともにワープロ検定などに姿を変えて、キータッチやパソコン検定に変化してその遺伝子を残しています。
卒業後しばらくはキーボードを触る機会が全くない時を過ごしましたが、1980年代にかけてワープロ、パソコンの出現、普及により、なんと! 私の英文タイプ部で培った遺伝子・タイピング技術が開花しました。当時、まだブラインドタッチという用語が知られていない時代に社内で唯一、キーボードを見ずにかなり早い速度でタイピングするものですから、当然、目立つ存在となり、会社側から「こいつは出来る奴だ」と勘違いされて人事評価を上げてもらったことを覚えています。この時ほど英文タイプ部に入部してよかったなぁとつくづく感じたことを思い出します。逆に、ただ単にタイピングができるだけなのにパソコン知識をもった上級者とよく間違えられて困惑した思いもありました。
英文タイプ部の歴史の中で特筆しなければならないのは2年前に残念ながら他界された顧問の故笠井貴征先生です。
 先生は1977年に部の顧問となり長きにわたり私たち英文タイプ部の部員を見守ってくださりました。正義感が強く、誰に対しても優しく接する先生からは沢山の人生のアドバイスをいただきました。
  もし、笠井先生がご存命中だったら新型コロナウィルスに対してどのような意見があるのなぁ?とか、何か事あるごとに思いを馳せています。
 英文タイプ部の絆は半世紀近く過ぎた今でも固く繋がっており、新年会などの何かイベントがある都度、集会と酒盛りを開催しています。皆さんとの出会いに感謝、感謝です。
一日でも早い新型コロナウィルス感染症の終息を心からお祈りします。

◆ <写真>
写真は貧乏な時代に購入した高価なイタリヤ製の愛用機Olivetti Letteraブラックです。 
この洗練されたデザインは何とも言えませんね!
 当時の英文課題提出時は大変、お世話になりました。

1979年二部英文科卒 三上浩二