2021就活生が絶対に守るべきこと
(一般社団法人)日本ホスピタリエ協会 代表理事 安東 徳子
82社会学科卒
ほんの半年前までは、『売り手市場』と言われてきた2021就活。
選ばれるよりも選ぶ意識が高かった2021就活。
それがこの半年で、あっという間に就活の世界が変わってしまいました。
大手航空会社が2021採用を全面停止したことも、2021就活がどれだけ厳しいものになったかを物語っています。
新型コロナ禍に巻き込まれる前に内定を取っている学生さんも内定取り消しの不安はぬぐい切れないでしょうし、ましてや内定が出ていない学生さんは、毎日のように耳に入る採用活動停止のニュースに大きな危機感を抱えていることでしょう。
20年以上、ホテル・ウエディング業界を中心とした就活支援の仕事をしてきましたが、今年ほど深刻な就活環境は経験したことがありません。
2021就活生はどうしたらよいのでしょうか?
大きなヒントがかつての就職氷河期の事例にあります。現在40代のロスジェネ層には、一度も正社員雇用を経験したことがない氷河期難民が存在することはみなさんもご存知だと思います。2020年をすでに新型コロナ就職氷河期と定義づけた記事もあり、悲観的になる方も多いかもしれませんが、いたずらに不安を感じるのではなく、冷静に状況を見極めていく必要があります。
まず確認しておきたいことは、2000年代の就職氷河期も、採用はゼロではなかったということです。その年の就活生全員が非正規雇用の道を選んだのではない、ということです。
就職氷河期でも正社員雇用を獲得した学生さんたちも一定数いた、ということを忘れてはいけません。みなさんも、心を強く持って、まずはあきらめないで就活を続けてください。
ロスジェネ層の非正規雇用の人達の敗因のひとつに、会社の規模や業種にこだわり、正社員雇用のチャンスを逃したことがあります。現実の厳しさを受け入れきれずに、自分が目指した就職先のイメージから脱却できずに柔軟な発想を持てなかったことです。
まだまだ日本の企業は新卒一括採用の世界です。新卒時に正社員採用されないと、その後正社員への道は絶望的です。
中小の企業でも、望んでいなかった職種でも、新卒時に正社員になっておけば、転職により希望の職種に就ける可能性はあります。しかし、新卒時に正社員になれずにいると、その後正社員になるチャンスは皆無に近いのが現実です。
大手企業の仕事であっても、契約や派遣ではキャリアは積めません。いつまでたっても、契約や派遣のままです。逆に中小の企業でも正社員雇用であれば、その後の転職も正社員採用が期待できます。
この状況は2022就活まで続くものと思われます。
であるならば、就職留年も賢い選択とは言えないかもしれません。
まずは、業種、企業規模を選ばず、正社員採用にこだわること。これを絶対に守ってください。
明けない夜はありません。みなさんの希望する業界が採用を始める機会はいつか必ずやってきます。そのためにも、まずは正社員採用を目指し、キャリアアップができる環境に自分を導いてください。