芸術学科の思い出

昨年より大学同窓会の運営委員となりました05LA(文学部芸術学科)の神谷と申します。新型コロナウイルスの影響により同窓会の活動自体が制限され、なかなか運営委員である実感を得ることが難しい状況ではありますが、今自分にできることを考え少しでも本会に貢献できればと思います。
さて、OB・OGの方には私が所属していた学科、芸術学科を初めて聞いたという方も多いかと思いますが芸術学科は1990年4月に設置された比較的新しい学科で、私の在学中は音楽、映像、美術史の3コースがあり、私は美術史コースで西洋美術史を専攻していました。
 入学して最初の美術史の授業が山下裕二先生の授業でしたが、その授業で見た曽我蕭白という画家の作品に衝撃を受けました。当時の私は日本美術=水墨画という程度の知識しか持っておらず、作品に登場する人物の不気味な表情や奇抜な色使いに「こんな変わった絵が存在するのか」、「もっと色んな絵を見てみたい」と興奮したことを今でも鮮明に覚えています。また「とにかく美術館に行き作品を知りなさい」という先生の言葉がその後の学生生活に大きな影響を与えました。1~2年生の時には暇さえあれば美術館に行くようになり、西洋美術史専攻ではありましたが洋の東西を問わず、気になる展覧会があると展示の規模や美術館の所在地に限らず、美術館行脚をするようになりました。基本的には関東圏内の美術館を巡っていました。時には関西方面などへ遠征することもありましたが、当時の私は美術館以外に全く興味がなく、現地の観光はせず、まさにとんぼ返りのようなことをしていました。今振り返ると贅沢かつもったいない時間の使い方をしていたと思います。
 新型コロナウイルスの影響により美術館に行くのも難しい状況ではありますが、新しい日常を受入れみんなが気軽に美術館を楽しめるときがくるのを願っております。