明治学院ウィメンズクラブ「くらら会」を、よろしくお願いいたします。

明治学院同窓会ウィメンズクラブ「くらら会」は、来年の6月で10周年の記念の日を迎えることになりました。同窓会の理事の方々をはじめ多くの皆様からご支援・ご指導をいただきました。この場をお借りして心からお礼申し上げます。
コロナの感染予防の4年間は、ほとんど活動らしきものは何もなく、ひたすらコロナの収束を持っているような状態でした。コロナの分類が5類感染症になり、法律に基づいた様々な仕組みから個人の選択が重視されるようになりました。そのような状況になったことも相まって、今年の総会は久しぶりに10階の大会議室での会となりました。村田学長による講演もわかりやすく、明るい未来が目の前に広がっているような気持ちになりました。ちょうど学内での飲食が許可されたことも良いタイミングでした。「くらら会」では、懇親会を「アフタヌーン・ティ」と名付け、軽食と飲み物を楽しむ会としていますが、この日の会場では久しぶりに皆様との懇談の輪が広がり、和やかなひと時を持つことができました。
明治学院で学んだ女性による同窓会「くらら会」は、参加同窓生の地域を限定しない同窓会ですが、所属としては東京ブロックに組み込まれている一つの支部として、2014年に設立されました。当初は「なぜ女子だけの同窓会なのか」「時代に逆行しているのではないか」という声も聞こえていました。あえて女性の同窓会が設立されたのは、女子学生が多く学ぶ明治学院ですが、当時は同窓会活動を見るとどうしても男性が多く、何とかして女性の参加者を増やしたいという同窓会役員の長年の願いでもありました。女性は就職・結婚・育児・家事・親の介護・連れ合いの介護等々人生の様々な場面で、男性よりも同窓会活動に参加できる時間が限られてしまうという現実がありました。女性の同窓会では、この問題を解決する術を考える必要がありました。なかなか難しい課題です。
「くらら会」は同窓生間の親睦を楽しむという、同窓会支部としての一般的な活動のほかに、社会的な活動として年に3回のバザーを開催していることに特徴があります。この場合の社会的な活動としてのバザーは、その売り上げを明治学院大学のボランティアセンターに学生達の活動に役立ててほしいと届けていることで、卒業生としてのささやかなプレゼントです。
バザーは、会員の皆さんから自宅にある衣類などを送って頂き、それを販売するという形ですが、自宅の不用品を片付け、それを梱包して「くらら会」に送ることで、「くらら会」の集まりに出て来られなくても、同窓会活動に参加し、学生支援の輪を担っています。同窓会への一つの参加の形であると捉えることができます。
ではなぜ「くらら会」はバザーをしているのかということもよく聞かれます。面倒な作業をしなくても皆に寄付を募ってそれを寄付すればよいのではないかと。「くらら会」では、送られてきた衣料や雑貨を点検して、汚れているものや繕いが必要なものは担当者が家に持ち帰り洗濯をして、販売できる状態します。そしてそれに値段をつけるというような作業が入ります。一見面倒な作業と思われますが、このような仲間との協働作業を通して、仲間意識が生まれ、グループとしてのきずなが生まれより親密な関係が作られていきます。寄付を募ってそれを届けるだけでは、このようなグループ間の仲間意識は生まれてきません。バザーはグループをつくるための一つの手段ということもできます。
実は「くらら会」の創設期のメンバーの半分くらいが、大学同窓会運営委員として3年任期2回6年を終えたメンバーでした。2011年、東日本大震災が起こった時、当時のボランティアセンター長が運営委員会に対して「卒業生として何か後方支援をしてほしい」と要請をうけました。後方支援とは金銭的な支援ということになりますが、その時、長年日米の高齢者施設でバザーを含む行事の企画立案・実施を担当していて、バザーを日常的なことと認識していた私が、バザーはどうかと提案しました。寄付を集めたらいいという意見も出ましたが結局はバザーをいう意見にまとまり、大学同窓会の中の学生支援委員会として、機会あるごとにバザーを実施し、3年間で約100万円をボランティアセンターに寄付をすることができました。多くの卒業生にお願いして様々な支援をいただきました。その当時の女性の運営委員が任期を終えて大学同窓会を離れた時期が2014年。今度は「くらら会」設立のために立ち上がり、会議を重ねて設立にこぎつけました。「くらら会」の方向付けを考えるときに、今まで大学同窓会の運営委員としておこなっていたバザーを「くらら会」でも継続したいということになりました。それが「くらら会」の現在の「バザー」のルーツです。
昨年の白金祭には、コロナ感染を考えると古着の販売は好ましくないという学生たちの意向もあり、手作りのクリスマスグッズの販売に切り替えました。コロナ感染予防のために心が沈んでいる皆さんに、少しでもほっこりとした気持ちになってほしいという願いを込めての、オーナメント類は大変好評でした。今年も5月からワークショップを開いて作品つくりをしています。皆様どうぞご来店ください。

明治学院同窓会ウィメンズクラブ「くらら会」代表 
1966年社会福祉学科卒・2007年社会学研究科社会福祉学専攻博士前期課程修了 柏木美和子