白金キャンパスでゴジラに関して想ったあれこれ

 毎年、入試のニュースを視る今頃になると、40数年前に明治学院大学に入学した頃を思い出します。初めて白金キャンパスに入ったとき、ヘボン館が空に向かい高々とそびえ立ち、周囲を圧倒しているように感じたのを覚えています。

 卒業後は、縁あって2011年に運営委員に任命されるまで、白金キャンパスに行ったことはなく、再開発されたことも全く知りませんでした。運営委員として久しぶりに行った白金キャンパスは、まるで別世界でした。あの威容を誇ったヘボン館も本館に寄り添うように建っていて目立ちませんでした。更に周辺には、タワーマンションが白金キャンパスを圧倒するように建っていました。改めて時の流れを感じ、明学および東京の発展に驚きました。

 在学当時、ビルの爆破事件があったこともあり、周囲を圧倒するヘボン館を見て不謹慎にも、今ゴジラが現れ最初のときと同様に品川付近に上陸したら、ヘボン館も狙われるかもしれないと想ったものでした。ゴジラを含む怪獣は、巨大な建築物を破壊して、自分のパワーを誇示するようです。そのパワー溢れるゴジラも、在学中の1975年に公開された映画の観客動員数が不振であったため、活動を休止してしまったのを覚えています。

 1954年に誕生した最初のゴジラは、テレビで視たことがあるだけですが、身長50メートルの当時のゴジラが、あんなにも巨大に感じたのは、一部の特例を除いて当時は、ビルの高さが31メートルに制限されていたため、高層ビルがなく、東京タワーもなかった東京では、ゴジラの大きさが他を圧倒していたからだと思います。

 その後、1968年に高さ147メートルの霞が関ビルが竣工し、日本にも本格的な超高層ビルの時代が到来し、1984年に復活したゴジラは、ビルの高さに合わせて成長(?)し、身長が80メートルになりました。更に西新宿に200メートル超の東京都庁舎が竣工した直後の1991年に登場したゴジラは、身長100メートルになりました。つまり、ゴジラの身長は、東京の発展に合わせて伸びるようなのです。

 今年再復活するというゴジラが、東京スカイツリーがある現代の東京に現れたら、きっともっと大きくなるのでしょう。今度のゴジラが東京に現れるのかどうかは分かりませんが、ゴジラの品川上陸の記念と言われるプレートがJR品川駅1番線ホームに貼ってあります。また新宿には、ゴジラの頭部が載ったビルがあります。ゴジラがこんなに慕われるのも、ゴジラが映画の中で活きているからであり、破壊が行われるのは、空想の世界だけであってほしいと切に願う今日この頃です。

                      運営委員 渡邉 亨(1978年経済学部商学科卒)

品川駅構内にあるゴジラ上陸記念(?)プレート

品川駅構内にあるゴジラ上陸記念(?)プレート

ゴジラが顔をのぞかせている新宿のビル

ゴジラが顔をのぞかせている新宿のビル